Perspective
がんの標的療法とコンパニオン診断薬の共同開発を成功させるための考察
Nature Reviews Drug Discovery 12, 10 doi: 10.1038/nrd4101
がんの治療薬の使用を最適化するための診断検査が重要になるにつれ、がんの標的療法とコンパニオン診断検査の共同開発が、より盛んになっており、ますます必要性を増している。2011年7月、米国食品医薬品局(FDA)は、コンパニオン診断薬を公式に定義した指針草案を発出し、規制認可を得るための医薬品−診断薬共同開発プロセスを導入した。今回我々は、医薬品−診断薬共同開発において、指針に明記されていない分野、もしくは指針をより細分化することで利益が得られるかもしれない分野を特定する。これには、臨床試験がバイオマーカー陽性の患者に限定される場合の決定法、コンパニオン診断薬使用のために選択される患者群の定義、1種類以上のバイオマーカーを使用する検査のバイオマーカーの指標の定義および臨床的実証などが含まれる。そして、出資者がこのような課題に取り組むことのできる方法を提案し、今後の医薬品と診断薬の共同開発に役立つ戦略を述べる。