Review Article
GPCRのアロステリック制御における新しい理論的枠組み:創薬にもたらす影響
Nature Reviews Drug Discovery 12, 8 doi: 10.1038/nrd4052
アロステリックリガンドは、Gタンパク質共役型受容体(GPCR;別名7回膜貫通型受容体)に内因性リガンドが結合する部位とは異なった部位で結合する。アロステリックリガンドの存在のおかげで、治療上の利益を期待してGPCRの機能を巧みに操作する方法が向上してきたのだが、こうした相互作用の複雑さは、薬剤のスクリーニングと開発の際の課題にもなるし、機会にもなる。アロステリックリガンドによって偏りを持たせたシグナル伝達や、アロステリックリガンドが多様な内因性リガンドの影響を調節する機構などの領域の研究を統合することで、アロステリックリガンドとGPCRとの相互作用を創薬にどう活用できるかを理解する新たな手がかりが得られた。こうした新しい知見によって、アロステリック修飾薬のスクリーニング方法が変化する可能性があり、臨床的に有用なリード化合物としてのアロステリック調節物質の開発の成功が増えるかもしれない。