Review Article
がんや炎症などの疾患においてスフィンゴシン-1-リン酸系を標的とする
Nature Reviews Drug Discovery 12, 9 doi: 10.1038/nrd4099
生物活性脂質のスフィンゴシン-1-リン酸(S1P)はさまざまな細胞シグナル伝達系に関わっており、免疫細胞の輸送の制御に重要な役割を果たすメディエーターでもある。このようにして、S1Pはがんや炎症性疾患などの疾患に影響を与えている。本稿では、S1Pを治療標的とする方法、例えば、S1Pの生成、輸送、分解を標的とする阻害剤の開発、特異的なS1P受容体アゴニストの開発について議論する。また、S1Pを標的とする最近の複数の前臨床試験における矛盾する結果や、この分野で進行中の臨床試験について議論する。