Perspective
カロリー制限模倣薬:分子的定義に向けて
Nature Reviews Drug Discovery 13, 10 doi: 10.1038/nrd4391
カロリー制限は、それが持続的なものであれ断続的なものあれ、健康促進効果と延命効果があると考えられている。カロリー制限模倣薬(caloric restriction mimetic;CRM)は、カロリー制限の生化学的効果と機能的効果を模倣する化合物である。このオピニオン論文で我々は、CRMの定義を、細胞のタンパク質の脱アセチル化を促進することによってオートファジーを刺激する化合物と統一することを提案する。この脱アセチル化の過程は3つのクラスの化合物によって達成される。すなわち、アセチル補酵素A(唯一のアセチル基供与体)を枯渇させる化合物、アセチルトランスフェラーゼ群(多くのタンパク質のリシン残基をアセチル化する一群の酵素)を阻害する化合物、そして、デアセチラーゼ群の活性を刺激してアセチルトランスフェラーゼの作用を元に戻す化合物である。CRMの定義の統一は、このクラスの治療薬の継続的な開発に重要になるだろう。