Review Article

多機能性・刺激感受性のナノ粒子薬剤送達システム

Nature Reviews Drug Discovery 13, 11 doi: 10.1038/nrd4333

薬剤のin vivoでの有効性を向上させることを目的としたナノ粒子薬剤送達システム(NDDS)の利用は定着しており、現在では、多機能性・刺激感受性NDDSの開発が盛んに行われている。多機能性・刺激感受性NDDSは、体内循環時間を長くすること、疾患部位を標的とすること、薬物の細胞内送達を向上させることができる。こうしたタイプのNDDSは、例えば、薬剤を積載したナノ担体と標的細胞・組織との相互作用を、封入薬剤を放出したり、粒子の保護被膜を一部切り離したりして促進することで、病理学的部位に特徴的な局所刺激に応答することもできる。さらに、こうしたナノ担体に画像コントラスト成分を取り付ければ、薬剤が体内で標的細胞や組織に分布して蓄積する様子を、リアルタイムで追跡できる。本稿では、多機能性・刺激感受性NDDSに関する最近の進歩、そして、がん、循環器系疾患、感染性疾患などの疾患でのNDDSを用いた治療の有効性について述べる。

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