Review Article
Notchシグナル伝達を調節する治療 — まだ到達しないのか?
Nature Reviews Drug Discovery 13, 5 doi: 10.1038/nrd4252
Notchシグナル伝達経路は進化の過程で保存されており、ほとんどの組織の発生および恒常性に不可欠である。Notchシグナル伝達が正常の調節されないような状態になると、例えばT細胞白血病、アラジール症候群、あるいはCADASILとして知られている脳卒中・認知症症候群のようなさまざまな疾患を招くため、Notchシグナル伝達を調節する治療戦略に関心が寄せられている。固形腫瘍患者を対象としたNotch経路阻害剤の臨床試験が報告されており、さらに、さまざまなアプローチが臨床前評価段階にある。本稿では、治療介入に適用できるNotch経路の特徴、その標的となり得る疾患、そして現在探究中のさまざまなNotch経路調節戦略に焦点を合わせて解説する。