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脂質代謝における肝臓X受容体:創薬の機会
Nature Reviews Drug Discovery 13, 6 doi: 10.1038/nrd4280
肝臓X受容体(LXR)群は、哺乳類での脂質恒常性の重要な調節因子である。この転写因子群は、コレステロールの取り込み、輸送、流出および排出に関与する一連の遺伝子の発現を、組織依存的に制御している。種々のLXRが同定され、さらにLXRシグナル伝達が肝臓、腸および脳などさまざまな組織で脂質恒常性を調節する機構に対する理解が深まってきたため、ヒトの脂質代謝への治療的介入の新しい機会が浮かび上がっている。種々のLXR、そしてそれらの標的遺伝子群の新しい薬理学的操作戦略は、アテローム性動脈硬化やアルツハイマー病などの脂質が中心的役割を果たすヒト疾患の治療法として期待される。