Perspective

抗生物質耐性阻害薬:ドラッグ・リポジショニング薬は新規抗生物質の不足を補えるか

Nature Reviews Drug Discovery 14, 12 doi: 10.1038/nrd4675

抗生物質耐性に対する懸念が高まっており、新たな抗生物質、特にグラム陰性細菌に対する抗生物質が必要となっている。しかし、たとえ科学的課題を克服できるとしても、そうした抗生物質の数を十分に確保して利用できる状態にするまでに数十年を要する可能性がある。これに対しては、承認に至っていない抗生物質と適切な非抗生剤を同時投与して抗生物質耐性を「阻害」するという暫定的な解決策がある。細菌感染症が適応となっていない数種類の市販薬が、細菌を直接死滅させ、あるいは既存の抗生物質との同時投与によって抗生物質に対する最小阻害濃度を下げ、あるいは宿主の自然免疫に対する作用を通じて、特に炎症とオートファジーを変化させることで宿主防御を調節できる。本論文では、こうした「抗生物質耐性阻害薬」がどのように抗生物質耐性の問題を軽減できるのかを論じ、今後優先的に調査すべき薬剤候補のリストを分析する。

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