Review Article
難聴に対する新しい治療選択肢
Nature Reviews Drug Discovery 14, 5 doi: 10.1038/nrd4533
難聴は、ヒトの感覚障害の中で最もありふれたものであり、米国内だけでも4000万人以上が罹患している。米国食品医薬品局で認可された薬物療法はまだなく、その治療はもっぱら補聴器や人工内耳などの医療機器に依存している。ここ数年で、100か所以上の遺伝子座が難聴と関連付けられ、また、数多くの難聴関連遺伝子が特定された。聴覚機能を調節する遺伝学的経路が理解されるようになったことで、難聴の薬物療法の新しい標的が明らかになってきた。さらに、聴覚機能を回復もしくは維持できる可能性のある、幹細胞と遺伝子療法に基づく手法が現れてきている。