Review Article
がん免疫療法および新しい免疫調節性標的の併用
Nature Reviews Drug Discovery 14, 8 doi: 10.1038/nrd4591
PD1(programmed death-1)、PDL1(programmed death-ligand 1)、CTLA4(cytotoxic T lymphocyte antigen-4)のような免疫チェックポイントタンパク質を治療標的とすることで、免疫を抑制する種々のシグナルが阻止され、効果的な抗腫瘍応答が患者に引き起こされて、さまざまながんで目覚ましい効果が得られている。CTLA4阻害剤、PD1阻害剤あるいはPDL1阻害剤の単剤投与は、一部の患者では、長期間持続する腫瘍退縮につながっている。また、PD1阻害剤とCTLA4阻害剤の併用は抗腫瘍効果を増強している可能性がある。免疫を調節する他のさまざまな経路、そして腫瘍の微小環境で骨髄系細胞や間質細胞が発現あるいは分泌する抑制性因子も、免疫チェックポイントの遮断と相乗作用が見られる可能性のある標的である。免疫系では標的となり得る分子や経路が多岐にわたるため、どの薬の組み合わせの開発を進めるべきか、どのような患者がこうした治療で恩恵を受けられるか、などが取り組むべき重大な問題となる。本総説では、腫瘍細胞表面や腫瘍微小環境で発現していて、抗腫瘍免疫応答の増強を見込める主要な薬剤標的について論じる。