Review Article
神経疾患および精神疾患において電位依存性カルシウムチャネルを標的とする
Nature Reviews Drug Discovery 15, 1 doi: 10.1038/nrd.2015.5
電位依存性カルシウムチャネルは脳、心臓および筋肉の機能を調節する重要な因子であり、こうした機能の障害は心血管疾患から、てんかん、疼痛、自閉症などの精神神経学的症状まで幅広い病態生理学的状態を引き起こすことがある。神経系では、カルシウムチャネル遮断薬が、意識欠損を伴う欠神発作の治療に用いられ成功しており、疼痛、パーキンソン病、嗜癖、不安症などの病態に対する有望な治療法として使われつつある。本総説では、神経系疾患治療薬の標的としてのカルシウムチャネルの概要を説明し、臨床的に有効な新しいカルシウムチャネル阻害剤の開発における潜在的課題と機会について考察する。