Review Article
血管新生、炎症、繊維症において血管細胞と白血球との情報伝達を標的とする
Nature Reviews Drug Discovery 15, 2 doi: 10.1038/nrd.2015.2
血管透過性の調節、血液から組織への白血球の動員、血管新生は、いずれも生理的状態と病的状態の両方において微小血管レベルで発生する過程である。炎症時の微小血管細胞と白血球との間の相互作用に加えて、血管新生過程の調節における白血球の役割が明らかになってきたことで、白血球と血管細胞の相互作用が、病的血管成長、機能不全性血管成長、慢性炎症、繊維症などさまざまな疾患に対応できる可能性のある治療法の主要な標的となっている。本総説では、微小血管の内部と周囲に存在するさまざまな種類の細胞が、相互作用し、協調し、相互に指示を与える過程を論じ、これに関連して、組織の恒常性を回復させるために利用できる薬剤標的と新たにわかってきた新薬開発につながる過程を明らかにする。