Perspective
抗糖尿病治療学の標的としてのGタンパク質共役型受容体
Nature Reviews Drug Discovery 15, 3 doi: 10.1038/nrd.2015.4
肥満および2型糖尿病(T2D)の罹患率は世界中で増加しており、この2つの代謝疾患は密接に関連している。減量や運動といった生活習慣の改善はT2Dの効果的な治療法だが、残念ながら、ほとんどの患者は持続的に体重減少を維持できず、失敗を繰り返すことが非常に多い。従って、大部分の患者でT2Dの治療を成功させるために、安全で効果的な薬剤が必要とされている。現在そして将来の抗糖尿病化合物では、代謝組織(脂肪組織、肝臓、筋肉、膵島、免疫細胞および中枢神経系など)のGタンパク質共役型受容体(GPCR)を標的化することが、重要な目標となっている。本論文では、T2Dの治療を成功させる新薬を発見するための標的としてのGPCRの可能性に焦点を合わせて考察する。