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老化細胞:さまざまな加齢性疾患の新たな治療標的
Nature Reviews Drug Discovery 16, 10 doi: 10.1038/nrd.2017.116
暦年齢は、それだけでヒトの疾患の最大の危険因子である。この相関についてのもっともらしい説明の1つは、加齢を駆動する機構は、さまざまな加齢性疾患も促進する可能性があるというものである。細胞の老化は、細胞ストレスによって誘導された永久的な細胞周期停止状態であり、がんやアテローム性動脈硬化、変形性関節症などの高齢期疾患の一因にもなる基本的な加齢機構であることが最近明らかになった。老化細胞(SNC)の選択的除去、あるいはSNCのセクレトームの破壊といった、細胞の老化の有害な作用を安全に抑制する治療戦略が大きな注目を集めており、現在、いくつかのプログラムがヒトでの臨床研究に近づいている。