Review Article

進行性加齢関連疾患である特発性肺繊維症の新たな治療法

Nature Reviews Drug Discovery 16, 11 doi: 10.1038/nrd.2017.170

特発性肺繊維症(IPF)は、加齢に伴う致死的な疾患で、進行性で不可逆的な肺の瘢痕化を特徴とする。IPFの病態形成は十分に解明されておらず、現行の治療法は、軽度から中等度のIPF患者の機能低下速度を抑制する治療法に限られている。このため、こうした患者の生存期間と生活の質を大幅に改善する新しい治療法が緊急に必要とされている。IPFの発症機構が十分に解明されておらず、ヒトIPFの主要特性を再現する適切な実験モデルのないことが主要な課題になっている。加齢はIPFの主要なリスク因子であるため、加齢に関連した細胞摂動、例えば、テロメア短縮、老化、エピジェネティックな変化(ドリフト)、幹細胞の枯渇、タンパク質恒常性の喪失、ミトコンドリアの機能不全が、IPF治療にとっての関心の的になってきている。本総説では、IPFの現行治療法と新たな治療法、特に加齢に関連した機構を標的とする治療法について論じ、将来の治療法についても論じる。

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