Review Article

新規鎮痛薬開発に立ちはだかる壁を打ち破る

Nature Reviews Drug Discovery 16, 8 doi: 10.1038/nrd.2017.87

急性・慢性疼痛の訴えはありふれているが、既存の治療法で十分な手当てを受けられないのが通例である。このように臨床上の必要性が満たされていないのは、現在使用可能な薬剤よりも有効性が優れていて、副作用が少なく、乱用傾向が低い、新しいクラスの鎮痛薬を開発できていないことを表している。開発が失敗する理由としては、臨床的疼痛の症状が不均一なこと、その基盤となる病態生理機構が複雑で多様なこと、一部の前臨床疼痛モデルの信頼性が低いことがある。しかし、最近になって疼痛の神経生物学的性質に関する理解が進み、新規治療戦略(例えば、イオンチャネル、酵素、Gタンパク質共役型受容体を調節する方法)が開発され、既知の標的を再考する機会が得られるようになった。

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