Review Article
ハンチントン病に対する治療方法:研究室から臨床へ
Nature Reviews Drug Discovery 17, 10 doi: 10.1038/nrd.2018.133
ハンチントン病(HD)の原因遺伝子が見つかって25年がたち、この間にHDの本質やその病因についての重要な発見がなされてきた。しかしこうした進歩にもかかわらず、HDの疾患修飾治療法の開発は遅々として進まなかった。HDにおいて異常のある経路の治療可能性が前臨床研究によって検証されたことで、臨床評価に向けて、新規薬物および別の目的で使われていた既存薬物の両方の進歩につながった。最も有望な治療方法には、ハンチンチンタンパク質の低減や修飾、および神経炎症やシナプス伝達の調節などがある。これらの方法の多くは臨床試験が目前か進行中であり、今後数年は、HDだけでなく、アルツハイマー病やパーキンソン病のようなもっとよく見られる神経変性疾患についても期待できる。アルツハイマー病やパーキンソン病では、こうした経路の多くが同じように関与しているのである。