Review Article
次世代の抗体医薬:「達成困難な課題」の追求
Nature Reviews Drug Discovery 17, 3 doi: 10.1038/nrd.2017.227
抗体は、開発が最も急速に進んでいる医薬品のクラスであり、ヒトの健康、特に腫瘍学、自己免疫疾患および慢性炎症性疾患に大きな影響をもたらしている。最もよく理解されていて、最も扱いやすい細胞表面・分泌標的で、ヒト疾患において既知の役割を持つものの多くは、抗体医薬開発に広く利用されてきた。本総説では、抗体–薬物複合体、二重特異性抗体、そしてより効果的な薬物送達を促進するための抗体工学など、抗体の治療への応用を広げる可能性のある、抗体の作用のこれまでにない新しい機構や、画期的な標的戦略に焦点を合わせる。こうした戦略によって、「達成困難な課題」、すなわち、ヒットさせるのが難しい標的、あまり解明されていない標的、あるいは以前はアンドラッガブルだった標的を追い求めることができるようになるかもしれない。