Review Article
キナーゼ阻害剤のこれから
Nature Reviews Drug Discovery 17, 5 doi: 10.1038/nrd.2018.21
受容体チロシンキナーゼが関わるシグナル伝達経路は、がん治療を目的とした増殖あるいは血管新生の阻害の良い標的となってきた。しかし、キナーゼの調節解除は、ほぼ全ての主要な疾患領域で極めて重要な役割を果たしていることがはっきりと示されている。キナーゼ阻害剤の創薬プログラムは最近、その焦点を広げ、広範なキナーゼ標的および治療領域を含めるようになっている。本総説では、キナーゼを標的とした小分子が開発されている新たな標的、生物学的過程および疾患領域について概説し、これらに関連した課題を浮き彫りにする他、高度に最適化されたキナーゼ阻害剤の効率的な生成を可能にする戦略や技術を評価する。