Review Article

抗がん剤の創薬標的としてのRNA修飾タンパク質

Nature Reviews Drug Discovery 17, 6 doi: 10.1038/nrd.2018.71

全ての主要な生体高分子(DNA、RNA、タンパク質、脂質)は、酵素が触媒する共有結合性修飾を受け、これらの高分子の構造、機能と安定性が影響を受ける。また、RNAのさまざまな共有結合性修飾が同定され、RNAの安定性とタンパク質への翻訳に影響を与えることが実証されている。こうした翻訳制御の機構は、エピトランスクリプトミクスと呼ばれている。最近のデータでは、ヒトのさまざまな疾患だけでなく、がんにおいてもエピトランスクリプトミクス機構の一部が変化していることが示唆されている。本総説では、RNA修飾に関する現在の知見をmRNAメチル化に重点を置いて検討し、特定のがん症状においてRNA修飾が果たしている可能性のある役割を明確にし、最近論じられ始めたRNA修飾タンパク質の治療標的としての可能性を論じる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度