Review Article
血友病治療の進歩と革新
Nature Reviews Drug Discovery 17, 7 doi: 10.1038/nrd.2018.70
希少疾患である血友病のために承認された治療法は、50年間ほとんど変わらなかった。しかし、この10年間に治療選択肢の革新が急激に起こり、遺伝子組換え凝固因子製剤などの血友病治療薬が新たに承認された他、数多くの新しい治療法と治療様式が開発段階にある。こうした新しい治療様式のうち、特に遺伝子療法については、血友病で原理証明がなされているが、より広範囲に応用できる可能性がある。こうした進歩は、診断法の改良と相まって、臨床医による血友病患者の標準治療の改善につながっている。こうした新たな治療法で用いられているさまざまな作用機序と修飾は、その安全性と適正な使用に影響し、これらは治療的有用性とバランスが取れていなければならない。本総説では、血友病の治療に関して最も進んだ革新的な方法の生物学的側面に的を絞って解説し、その将来的用途を考察する。