Review Article
ドラッグ・リパーパシングの進展と課題、そして提言
Nature Reviews Drug Discovery 18, 1 doi: 10.1038/nrd.2018.168
新薬の発見と開発は、損耗率が高く、多大なコストがかかり、なかなか進まないため、「長い間使われてきた」薬剤のリパーパシングによって希少疾患と一般的な疾患を治療することが、次第に魅力的な提案になりつつある。リスクが低減した化合物を用いることで、全体的な開発コストを抑え、開発日程を短縮化できる可能性があるからだ。リパーパシング可能な医薬品の候補を見つけるために、さまざまな実験方法やデータに基づいた方法が提案されてきたが、技術と規制の面で対処すべき重要な課題もある。本総説では、ドラッグ・リパーパシング(ドラッグ・リポジショニングとも呼ばれる)のために用いられる方法を紹介し、リパーパシングに関係するコミュニティーが直面する諸課題を論じ、これらの課題に対処して、ドラッグ・リパーパシングの持つ可能性を最大限に引き出すうえで役立つ革新的な方法を提言する。