Perspective

アダプティブ・プラットフォーム試験:定義、デザイン、実施、報告を行う際に考慮すべき事項

Nature Reviews Drug Discovery 18, 10 doi: 10.1038/s41573-019-0034-3

研究者、臨床医、政策立案者と患者は、治療介入に関する問題のうち、従来の独立した並行群間無作為化比較試験(RCT)によって答えを得ることが困難な問題、あるいはそのために多額のコストを要する問題に対する関心を高めている。例えば、複数の治療介入を比較すること、独自の存在だが相互に関連している病態または臨床的特徴を有する患者群で個別の効果推定を行うこと、あるいは臨床試験間のダウンタイムを最小限に抑えることを目標とするシナリオである。これに対しては、アダプティブ・プラットフォーム試験(APT)などの新しいRCTデザインが研究者から提案されている。APTは、疾患や病態における複数の治療介入を永続的に調べることができ、所定の決定アルゴリズムに基づいてプラットフォームに治療介入を追加、削減できる。APTがもたらすイノベーションは、臨床試験を作り変える可能性があり、さまざまな疾患領域でいくつかのAPTが助成を受けて実施されている。本論文では、APTの利用促進を目指して、APTの一般的な特徴と問題点を概説し、APTのデザイン、実施、監視と報告のベストプラクティスを推進するための提言を行う。

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