Review Article
遺伝子治療の送達プラットフォームとしてのアデノ随伴ウイルスベクター
Nature Reviews Drug Discovery 18, 5 doi: 10.1038/s41573-019-0012-9
アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターは、さまざまなヒト疾患の治療の主要な遺伝子送達プラットフォームである。臨床的に望ましいAAVキャプシドの開発、ゲノム設計の最適化、そして画期的なバイオテクノロジーの利用における最近の進歩が、遺伝子治療分野の発展に大きく貢献している。AAVを介した遺伝子置換、遺伝子サイレンシングおよび遺伝子編集の前臨床・臨床での成功は、理想的な治療用ベクターとしてのAAVの評判獲得に役立っていて、AAVを利用する2つの治療法がヨーロッパあるいは米国において規制当局の承認を得ている。AAVの生物学の研究を継続し、関連した治療上の課題と限界の理解を深めることで、将来の臨床での成功のための基礎が築かれるだろう。