Review Article
創薬と新薬開発における機械学習の適用
Nature Reviews Drug Discovery 18, 6 doi: 10.1038/s41573-019-0024-5
創薬と新薬開発のパイプラインは長く、複雑で、多くの要因に依存している。機械学習アプローチは、大量の高品質データを用いて、十分に規定された問題の発見とそれに関する意思決定を向上させる一連のツールを提供する。機械学習を適用する機会は、創薬の全ての段階で生じる。その例として、標的の妥当性確認、予後バイオマーカーの特定、臨床試験におけるデジタル病理データの解析がある。機械学習の適用は、さまざまな状況において行われ、方法もさまざまで、一部のアプローチでは正確な予測と知見がもたらされた。機械学習の適用に伴う課題は、主に機械学習によって得られた結果の解釈可能性と再現性の欠如にあり、そのために機械学習の適用が制限を受ける可能性がある。また、今でも全ての分野で、体系的で包括的な高次元データを作成する必要がある。こうした課題への取り組みが続けられ、機械学習アプローチの妥当性を確認するために必要な因子に関する認識を高めることにより、機械学習の適用が、データに基づいた意思決定を推進し、創薬と新薬開発を迅速化し、その失敗率を低下させる可能性がある。