Review Article
オリゴヌクレオチド薬送達の進歩
Nature Reviews Drug Discovery 19, 10 doi: 10.1038/s41573-020-0075-7
オリゴヌクレオチドを用いることで、RNAi、RNアーゼHが媒介する切断による標的分解、スプライシングの調節、ノンコーディングRNAによる阻害、遺伝子の活性化、プログラム化された遺伝子編集など、さまざまな過程を介して遺伝子発現を調節できる。このように、オリゴヌクレオチドは無数の適応症の治療に応用できる可能性があり、最近ではいくつかのオリゴヌクレオチド薬が承認を得ている。しかし、最近の技術的進歩にもかかわらず、特に肝臓外組織への効率的なオリゴヌクレオチド送達を達成することが、臨床への橋渡しの上で大きな制限となっている。本総説では、化学修飾、生体共役反応、ナノ担体の使用など、送達の課題に取り組むことを目的とする主要なアプローチに焦点を合わせて、オリゴヌクレオチドを利用した薬剤プラットフォームの概要を提示する。