Perspective
PROTACの使用に適したゲノム
Nature Reviews Drug Discovery 20, 10 doi: 10.1038/s41573-021-00245-x
タンパク質分解誘導キメラ(PROTAC)は、新たに登場した薬物モダリティーで、従来の小分子治療薬に伴う制約のいくつかを回避する新たな機会をもたらすと考えられている。「ドラッガブルゲノム」という概念からの類推で、PROTACによるタンパク質分解が最も適用可能な薬物標的候補が何なのかが問題となっている。本論文では、関連性のある多様な一般公開情報資源のデータと情報に基づいた一連の基準を用いて、標的タンパク質のPROTACトラクタビリティー(PROTACtability)の評価を体系的に実施する手法を示す。この手法は、特定の標的タンパク質がPROTACを用いた調節に適していると考えられるかどうかの決定を支援することができた。我々は、この手法を用いて、将来的なPROTACによる研究を実施する機会をもたらす可能性のあるPROTACの標的として、これまでの文献で記述されていなかったヒトプロテオームの1067のタンパク質を特定した。