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感染症に対するmRNAワクチン:原理、送達、臨床移行

Nature Reviews Drug Discovery 20, 11 doi: 10.1038/s41573-021-00283-5

メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンは、当初は懐疑的な見方を生むアイデアだったが、その後の数十年間の進展で臨床上の現実となった。2020年に新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)のパンデミックに後押しされて史上最速のワクチン開発が実現し、mRNAワクチンがその取り組みの最前線に立った。患者にmRNAワクチンを接種すると、感染症に対する防御効果が迅速かつ安全に得られることがすでに明らかになっているが、mRNAの設計、細胞内送達と重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)予防薬以外の応用例を最適化するためには研究をさらに進める必要がある。本総説では、mRNAワクチンの基盤技術について述べ、脂質ナノ粒子とその他の非ウイルス性送達媒体に重点を置く。また、開発段階にある各種感染症病原体に対するmRNAワクチンを概観し、この画期的なワクチンプラットフォームの今後の応用例にとっての重大論点を考察する。

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