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テーラーメイド:治療用mRNAの設計術

Nature Reviews Drug Discovery 23, 1 doi: 10.1038/s41573-023-00827-x

mRNA医薬は、mRNAの形態で遺伝情報を送達する方法を用いて、ヒトの体内で治療用タンパク質の産生を誘導する医薬品であり、急速に発展している新興分野である。この方法は、大集団と個々の患者の両方を対象とした薬剤候補の迅速かつ効率的な特定および最適化を可能にしており、疾患の予防と治療の方法を一変させる可能性を秘めている。mRNA医薬の重要な特徴は高度な設計性だが、関係する設計の選択肢は複雑である。mRNA医薬による治療用タンパク質の産生を最大化するには、ヌクレオチド配列、ヌクレオチド修飾およびRNA構造の相互作用が翻訳効率およびmRNAの安定性にどのような影響を及ぼすのかという点を徹底的に理解する必要がある。本総説では、mRNAの物理的安定性と生物活性の基盤となる原理を記述し、治療用mRNAの設計に取り入れる数々の配慮事項との関連性に重点を置く。

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