Review Article

mRNA医薬およびワクチンの毒性リスクを軽減する戦略

Nature Reviews Drug Discovery 23, 4 doi: 10.1038/s41573-023-00859-3

脂質ナノ粒子を利用したmRNA製剤は、世界中で数十億回分もの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンの迅速な開発と投与を可能にしてきた革新的技術である。しかしながら、mRNA医薬およびワクチンによる許容できない毒性を回避することには課題がある。脂質ナノ粒子の構造成分、製造方法、投与経路および複合型のmRNAから産生されるタンパク質は全て、毒性に関する懸念がある。今回我々は、これらの懸念、特に、mRNAと脂質ナノ粒子の細胞指向性および組織分布が毒性を引き起こす仕組み、およびmRNAと脂質ナノ粒子の反応原性の可能性について論じる。我々は、ワクチンだけでなくタンパク質補充療法や遺伝子編集療法のためのmRNAの応用により生じる有害事象に焦点を合わせて、一般的な生化学的経路および細胞内経路を追跡した。また、オンターゲットの有効性のスクリーニングと、オフターゲットの毒性のリスクを回避するために利用されるin vivoモデルや次世代のin vitroモデルなど、既存のモデルとツールの可能性と限界についても考察する。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度