アポリポプロテイン-AIIアイソフォームの抗体を用いた早期ステージ膵臓がんの検出と膵臓悪性腫瘍のリスク因子のための血漿バイオマーカー
Plasma biomarker for detection of early stage pancreatic cancer and risk factors for pancreatic malignancy using antibodies for apolipoprotein-AII isoforms
2015年11月9日 Scientific Reports 5 : 15921 doi: 10.1038/srep15921
我々は最近、血液中を循環しているアポリポプロテインAII(apoAII)のアイソフォームであるapoAII-ATQ/AT(C-terminal truncations of the apoAII homo-dimer)が膵臓がんで減少していることを見出し、膵臓がんの早期検出のための血漿バイオマーカーとして役立つ可能性を報告した。今回我々は、apoAII-ATQ/ATの測定のための新たな酵素結合免疫吸着法(ELISA)の開発と膵臓がんの早期検出のための臨床応用について報告する。apoAII-ATQ/ATの血漿および血清濃度を、健常者群と膵臓がんおよび消化器疾患の患者(n = 1156)から成る3つの独立したコホートで測定した。これらのコホートには151例のステージI/II期の膵臓がんが含まれていた。apoAII-ATQ/ATは、健常対照群から早期の膵臓がんを判別しただけでなく、膵臓悪性腫瘍のリスクが高い患者も判別した。早期膵臓がんを検出するためのapoAII-ATQ/ATのAUC値は、独立した全てのコホートにおいてCA19-9のそれよりも高かった。apoAII-ATQ/ATは、早期膵臓がん患者や膵臓悪性腫瘍のリスクをもつ患者をスクリーニングするための有望なバイオマーカーである。
Kazufumi Honda, Michimoto Kobayashi, Takuji Okusaka, Jo Ann Rinaudo, Ying Huang, Tracey Marsh, Mitsuaki Sanada, Yoshiyuki Sasajima, Shoji Nakamori, Masashi Shimahara, Takaaki Ueno, Akihiko Tsuchida, Naohiro Sata, Tatsuya Ioka, Yohichi Yasunami, Tomoo Kosuge, Nami Miura, Masahiro Kamita, Takako Sakamoto, Hirokazu Shoji, Giman Jung, Sudhir Srivastava & Tesshi Yamada