Press Release 植物病原性ファイトプラズマの全ゲノム配列から示唆される縮小方向への進化 2004年1月1日 Nature Genetics 36, 1 doi: 10.1038/ng1277 生命に不可欠な最小遺伝子のセットが長い間探し求められてきた。本論文は、細胞内に存在する植物病原細菌であるファイトプラズマ (Candidatus Phytoplasma asteris 、OY株)のもつ860kbのゲノムについて報告するものである。ファイトプラズマゲノムにコードされている代謝機能関連遺伝子は、マイコプラズマゲノムの場合よりもいっそう少ないことがわかった。ファイトプラズマゲノムはペントースリン酸回路を欠いており、さらに意外なことに、生命に不可欠であると考えられるATP合成酵素サブユニットが欠如している。これは富栄養環境における細胞内寄生体としての生命であるがゆえの、縮小方向への進化が起きた結果であるかもしれない。 Full text PDF 目次へ戻る