Article RPAは染色体末端にEst1pを結合させることでテロメラーゼの働きを制御している 2004年1月1日 Nature Genetics 36, 1 doi: 10.1038/ng1284 複製タンパク質A(RPA)は高度に保存された一本鎖DNA結合タンパク質であり、DNAの複製や組換え、修復に関与している。今回我々は出芽酵母Saccharomyces cerevisiaeにおいてRPAがテロメアに存在し、その量はS期に最大となることを報告する。RPAを構成するサブユニットの1つであるRfa2pのN末端領域が短縮したもの(rfa2Δ40変異対立遺伝子に由来する)は、in vivoにおけるテロメラーゼ活性調節に欠陥を生じさせ、テロメアの著しい短縮を引き起こした。Rfa2Δ40をもつ細胞では、テロメラーゼの活性に必要とされるタンパク質Est1pの結合が減少していた。さらに、Cdc13-Est1pハイブリッドタンパク質を発現させることで正常なテロメア長が回復することが明らかになった。これらの結果から、RPAはS期にEst1pをテロメアに結合させることでテロメラーゼを活性化していると考えられる。我々は、テロメアDNAのグアニン残基が豊富な3’ 突出末端においてRPAとCdc13pが相乗的に機能するという、テロメラーゼの活性化に関するモデルを提唱する。 Full text PDF 目次へ戻る