Letter EBVの溶解性スイッチタンパク質Zはメチル化ウイルスゲノムに優先的に結合し活性化する 2004年10月1日 Nature Genetics 36, 10 doi: 10.1038/ng1424 DNAメチル化は遺伝子サイレンシングを促進するが、エプスタイン・バーウイルス(EBV)の前初期タンパク質BZLF1(Z)は、たとえウイルスゲノムが高度にメチル化されていても、ウイルスを潜伏感染状態から溶解感染状態へと転換する。本論文では、ウイルスBRLF1の前初期プロモーターのZ応答配列内CpGモチーフのメチル化が、このプロモーターへのZの結合と活性化を亢進することを示す。ウイルスゲノムの脱メチル化は溶解性ウイルス遺伝子のZによる活性化を阻害する。Zは、メチル化を受けたプロモーターに優先的に結合し活性化することが明らかになった最初の転写因子である。これらの結果は、エプスタイン・バーウイルスはウイルスゲノムのメチル化による転写阻害効果を回避しているという思いがけない機序の存在を明らかにしている。 Full text PDF 目次へ戻る