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胎盤における第7染色体遠位部のインプリンティングは、DNAメチル化とは関係なく、発現抑制性のヒストンメチル化にともなって起こる

Nature Genetics 36, 12 doi: 10.1038/ng1468

インプリンティングされた遺伝子は親由来染色体の一方の遺伝子のみが発現し、DNAのメチル化とヒストンの修飾によりエピジェネテッィクに標識されている。マウスの第7染色体遠位部のインプリンティングセンター2(IC2)の両側近傍には、父親由来の場合に発現抑制を受ける遺伝子がいくつか存在し、少し離れた位置には胎盤においてのみインプリンティングを受ける遺伝子群がある。我々は、これらの遺伝子の大半では親特異的なDNAメチル化を受けていないこと、さらに、遺伝子のメチル化が欠如しているにもかかわらず、栄養外胚葉において(さらに胎盤でも)インプリンティングが維持されていることを見いだした。遺伝子発現しない父親由来の対立遺伝子は、栄養外胚葉において、発現抑制に関与するヒストン修飾(ヒストンH3のLys9におけるジメチル化とLys27におけるトリメチル化)によって標識されている。このヒストン修飾はIC2が除去されると消失し、その結果、父親由来の対立遺伝子が活性化される。このようにIC2による抑制性ヒストン修飾は、(おそらく非コードアンチセンスRNAを介して)父親由来染色体の少なくとも700kbの領域に起こり、DNAメチル化には依存することなく、胎盤におけるこの遺伝子クラスターのインプリンティングを維持している。我々は、胚体外組織に限定された、進化的にはより古い、いわゆる「祖先型」のインプリンティング機構はヒストン修飾にもとづくものであり、このインプリンティング機構は胎児組織においてはその後、DNAメチル化が引き起こされることで、より安定に維持されたという仮説を提示している。

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