Letter AGAMOUS-LIKE24の抑制は花の発達を促進するための重要な段階である 2004年2月1日 Nature Genetics 36, 2 doi: 10.1038/ng1286 花の発達は、花序の分裂組織の側面に続くようにして花の分裂組織が生じるところから始まる。花の分裂組織を特徴づける遺伝子であるLEAFY(LFY)およびAPETALA1(AP1)は、新しく形成された花原基において花としてのアイデンティティを確立・維持するのを促進する。これらの遺伝子が機能しないと、花原基は花序としての特徴をもつように発育する。しかし、こうした過程の分子遺伝学的なメカニズムはわかっていなかった。本論文で我々はそのメカニズムを明らかにし、こうした表現型が表れる理由の大部分は、花の分裂組織のアイデンティティの確立を制御する主たる因子であるAGAMOUS-LIKE24(AGL24)が異所性(エクトピック)に発現するためであることを示す。我々は、AGL24がLFYとAP1によって早い段階で転写の抑制を受ける標的遺伝子の1つである証拠を示す。この抑制がなくなると、花のアイデンティティ決定遺伝子の発現のいかんを問わず、花の分裂組織におけるAGL24の持続的発現により花が形成される。このことは、LFYとAP1が花の発達を促進する働きは、花の発達時に活性化される遺伝子の発現を正に制御することのみならず、花序になる運命を促進させるAGL24を抑制することにもよっていることを示唆する。 Full text PDF 目次へ戻る