Article イネセントロメアの塩基配列決定のより明らかになった活性のある遺伝子の存在 2004年2月1日 Nature Genetics 36, 2 doi: 10.1038/ng1289 セントロメアは、マッピング、クローニングおよび配列決定がむずかしい高頻度反復配列からなるため、複雑な真核生物ゲノムにおける最後の未知領域となっている。イネ第8染色体のセントロメア (Cen8)においては、めずらしく高頻度反復サテライトDNAがあまり多くなく、その配列を決定することができた。Cen8の約750kbの領域に、イネCENH3(セントロメア特異的なヒストンH3)が結合している。このCENH3の結合が認められる領域は、ヒストンH3のLys9(H3-Lys9)のジメチル化レベルが高い大領域(すなわち、Cen8 がヘテロクロマチン化された領域)内に含まれている。Cen8には、CENH3結合部位に加えて、14の予測された遺伝子と、少なくとも4つの活性のある遺伝子が散在している。CENH3結合部位内および外に位置するレトロトランスポゾンは、同時期の起源と構造ダイナミクスをもっている。これらの結果は、ヒトにおけるネオセントロメアのような遺伝子領域が、同種のサテライト配列がメガベースの長さで蓄積する完全に成熟したセントロメアへと進化する過程において、Cen8がその中間期に位置することを示唆している。 Full text PDF 目次へ戻る