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SOX3は視床下部-下垂体軸の形成期に必須である

Nature Genetics 36, 3 doi: 10.1038/ng1309

下垂体は、間脳腹側部の領域である漏斗部と、口腔外胚葉由来のラトケ嚢の相互作用から発生する。出生後、その分泌機能は同じ間脳腹側部由来の視床下部ニューロンによって制御される。ヒトにおいては、X連鎖性の転写因子であるSOX3に影響を与える変異は下垂体機能不全と精神遅滞に関連するが、その原因についてはわかっていない。我々は、マウスにおけるSox3の欠失が、下垂体機能および特定の中枢神経系(CNS)の正中線構造の異常につながることを見いだした。通常Sox3を高発現している間脳腹側部の細胞をみた場合、変異胚では性質が変化しており、この遺伝子を発現することなく、ラトケ嚢の異常な発生が導かれる。下垂体および視床下部の異常は出生後も続くことから、SOX3は視床下部ニューロンのある部分でも機能しているのかもしれない。この研究により、下垂体が微妙な発生上の異常に極めて敏感で、また、1つの遺伝子が視床下部-下垂体軸におけるさまざまなレベルでどのように機能することができるのかを明らかにする。

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