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BSCL2におけるヘテロ接合性のミスセンス変異は遠位型の遺伝性運動性ニューロパチーおよびシルバー症候群に関連する

Nature Genetics 36, 3 doi: 10.1038/ng1313

遠位型の遺伝性運動性ニューロパチー(dHMN)あるいは遠位型の脊髄性筋萎縮症(OMIM #182960)は、四肢の遠位部で顕著に、ほぼ例外なく運動神経繊維の変性を示す疾患の集合である。シルバー症候群(OMIM #270685)は、染色体の11q12-q14(SPG17)に位置づけられている遺伝性痙性不全対麻痺症のまれな型で、手および時折は下肢においても筋萎縮をともなう脚の痙縮を認める。シルバー症候群およびdHMNの大部分の型が、不完全浸透の常染色体優性遺伝で、臨床症状においては広いばらつきを示す。あるオーストリアのdHMN-V患者家系のゲノム全体の精査によって、dHMN-Vは遺伝子座SPG17と連鎖することが示された。この座位は、dHMNあるいはシルバー症候群の表現型を特徴的に示すさらに16の家系で確認された。我々は、1Mbの距離にまで重要な領域を絞り込んだ後に、Berardinelli-Seip先天性全脂肪異栄養症(BSCL2)遺伝子の塩基配列決定を行い、アミノ酸置換のN88SおよびS90Lを引き起こす2つのヘテロ接合性のミスセンス変異を同定した。セイピン (seipin)というタンパク質をコードするBSCL2が、完全に欠損する変異は、これまでに、常染色体劣性遺伝のBerardinelli-Seip先天性全脂肪異栄養症 (OMIM #269700)に関連することが示されている。我々は、セイピンが小胞体 (ER)の膜貫通型タンパク質であることを示す。アミノ酸置換N88SおよびS90Lは、セイピンの糖鎖付加に影響を与え、神経変性につながる凝集体形成を引き起こす。

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