Letter フィラミンBをコードする遺伝子の変異により脊椎分節の形成、関節形成および骨格形成が阻害される 2004年4月1日 Nature Genetics 36, 4 doi: 10.1038/ng1319 フィラミン(filamin)は、細胞骨格の構造と活性を制御する細胞質タンパク質群であり、三次元ネットワークにアクチンを架橋したり、細胞骨格に細胞膜を結びつけたり、細胞内のシグナル伝達およびタンパク質輸送経路をまとめる足場として機能している。我々は、ヒトの4つの骨障害において、フィラミンBをコードする遺伝子の変異を明らかにした。常染色体劣性遺伝の脊椎手根足根骨(spondylocarpotarsal)症候群(SCT、OMIM 272460)の患者で、ホモ接合性あるいは複合へテロ接合性である終止コドンの変異を、また、常染色体優性遺伝のLarsen症候群(OMIM 150250)および周産期致死性の骨発生不全症IおよびIII型 (AOI、OMIM 108720; AOIII、OMIM 108721)の患者でミスセンス変異をそれぞれ発見した。我々はまたフィラミンBが、ヒトの成長板の軟骨細胞と、マウスの発生中の椎体に発現していることを見出した。これらのデータにより、いたるところで発現している細胞骨格タンパク質フィラミンが、脊椎分節の形成、関節形成、軟骨内骨化において、予期せぬ役割をもつことが示唆される。 Full text PDF 目次へ戻る