Letter ヒト拡張型心筋症において同定されたABCC9の突然変異は触媒性KATPチャンネルのゲート機能を障害する 2004年4月1日 Nature Genetics 36, 4 doi: 10.1038/ng1329 心臓のストレス耐性には、細胞のエネルギー要求に適合するために、膜電位依存的な機能を調整するATP感受性カリウムチャンネル(KATP)による高精度の代謝感知が必要である。特発性拡張型心筋症による心不全と不整脈をもつ患者のゲノムDNAを網羅的に解析した結果、心臓のKATPチャンネルの調節性SUR2AサブユニットをコードするABCC9遺伝子の2つの突然変異が同定された。これらのミスセンス突然変異およびフレームシフト突然変異はSUR2Aの触媒性ATPaseポケットと隣接する進化的に保存された領域に位置していた。変異型SUR2Aタンパク質は、内在性のATP加水分解サイクルにおける立体構造の分布状態に異常をもたらし、それにより代謝シグナルの伝達が影響を受けて異常なKATPチャンネルがもたらされることが明らかになった。触媒作用によるチャンネル孔調整の欠如の結果、チャンネルの障害が起こり拡張型心筋症になりやすくなるのである。 Full text PDF 目次へ戻る