Letter レチノイドX受容体ベータの調節因子Cnot7欠損マウスにおける乏精子・精子無力・奇形精子症 2004年5月1日 Nature Genetics 36, 5 doi: 10.1038/ng1344 精子形成は生殖細胞と精巣の体細胞の協調を必要とする複雑なプロセスである。さまざまな遺伝性疾患は、精子形成不全、精子の機能障害および男性不妊を引き起こす。本論文では、Cnot7-/-雄マウスは、乏精子・精子無力・奇形精子症が原因で不妊であることを示す。このことは、CCR4関連転写共役因子であるCnot7が精子形成に不可欠であることを示唆している。Cnot7-/-マウスの精細管においては、精子細胞の成熟段階が同調しておらず、障害されていた。Cnot7-/-雄マウスの精原幹細胞をKit変異マウス (KitW/W-v)の細精管に移殖すると、精子形成が回復する。このことは、Cnot7-/-の条件下においては精巣の体細胞の機能が損なわれていることを示唆している。Cnot7-/-マウスの精巣の表現型はレチノイドX受容体ベータ (Rxrb)欠損マウスの表現型に類似している。我々はさらに、Cnot7がRxrbのAF-1ドメインに結合し、Cnot7が存在しないとRxrbが正常に機能しないことを明らかにした。したがって、Cnot7は、精巣の体細胞においてRxrbの補助調節因子として機能するようであり、精子形成に関与するものであるといえる。 Full text PDF 目次へ戻る