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ジュベール症候群におけるAHI1の変異による小脳発生および軸索の交叉異常

Nature Genetics 36, 9 doi: 10.1038/ng1419

ジュベール症候群は、皮質脊髄路および上小脳脚を障害する軸索の交叉異常(脳で交叉する)で、小脳虫部および脳幹の先天性脳奇形である。ジュベール症候群の患者は、重度の不器用さと「鏡像」運動のため歩くことができない等の運動行動異常および認知行動障害がある。今回我々は、染色体6q23.2-q23.3に、ジュベール症候群に関連する遺伝子座JBTS3を同定し、ジュベール症候群に関連する最初の遺伝子であるAHI1において3つの有害な変異を発見した。AHI1は、脳、特に皮質脊髄路および上小脳脚の交叉性軸索を生じるニューロンにおいて、最も高く発現している。AHI1の比較遺伝解析は、AHI1がヒト系統にしたがって進化的に正の選択を受けたことを示している。それゆえ、AHI1における変化はヒト特異的な運動行動の進化において重要であるのかもしれない。

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