Letter ヒトの薬物代謝と輸送に関する一塩基多型セットの標識(タグ) 2005年1月1日 Nature Genetics 37, 1 doi: 10.1038/ng1488 薬物応答における個体差は、治療が無効という状況から生死にかかわる副作用に至るまで、薬物の吸収、分布、代謝、排泄を制御する遺伝子の変異により影響を受ける。我々は、このような薬物動態にかかわる55の遺伝子から904の一塩基多型(SNP)を、2つのヒト集団(ヨーロッパおよび日本)のDNA試料を用いて特定し、既知、未知にかかわらず、これらの遺伝子において高頻度に存在する変異を示す標識(タグ)となるSNPのセットを同定した。そして新規の大きな集団の試料において候補機能性SNPとの関連を調べるなどの、大規模な実証的評価により、この標識SNPの有効性を検証するとともに、標識SNPが薬理遺伝学連鎖不平衡マッピングに有用であることを確認した。この検証の過程において、稀にしか存在しない遺伝子変異は標識SNPを利用した解析には向かないことも示唆された。 Full text PDF 目次へ戻る