Letter バルデー・ビードル症候群の繊毛タンパク質異常により脊椎動物では平面内細胞極性が乱される 2005年10月1日 Nature Genetics 37, 10 doi: 10.1038/ng1644 進化的に保存された平面内細胞極性(PCP)経路(別名、非従来型Wnt経路)は、上皮細胞の極性形成、細胞移動および有糸分裂時の紡錘体の配向などのいくつかの重要な細胞過程を促進する。脊椎動物においては、PCP遺伝子群は原腸形成と神経管形成過程で、極性のある収斂伸長運動に極めて重要な役割をもっている。本論文では、繊毛機能不全に関連した疾患であるバルデー・ビードル症候群(BBS)に関与する遺伝子に変異をもつマウスは、眼瞼開裂、神経管欠損症および蝸牛の不動毛束(stereociliary bundle)の乱れなどのPCP変異体と同じ表現型を共有することを示す。さらに、我々はマウスのPCP遺伝子(Ltap、別名Vangl2)やゼブラフィッシュのPCP遺伝子(vangl2)とBBS遺伝子群との間には遺伝的相互作用があることを同定する。ゼブラフィッシュにおいては、異常な収斂伸長運動の高まりからこの表現型が増強される。我々は、Vangl2が繊毛細胞の基底小体と軸糸に局在していることも示す。これはBBSタンパク質の局在パターンに似ている。これらのデータは、繊毛が本質的にPCPの過程に関与していることを示唆している。 Full text PDF 目次へ戻る