Letter バンド3塩素イオン-重炭酸イオン交換体であるAE1の、輸送にかかわるドメインでの1アミノ酸置換により引き起こされるヒト赤血球からの1価陽イオンの漏出 2005年11月1日 Nature Genetics 37, 11 doi: 10.1038/ng1656 我々は、遺伝性の有口赤血球症と球状赤血球症の両型において、優性遺伝の溶血性貧血を伴うヒト11家系を同定した。これらの家系の罹患者は、0℃で特に著しく、NaとKに対する膜透過性が増加していた。我々は、これらの家系では、赤血球バンド3陰イオン交換体(AE1)の膜内ドメインにおける一連の1アミノ酸置換が疾患に関連していることを見いだした。異常な赤血球では陰イオンの動きが減少していた。この「漏出」陽イオンの流れは、バンド3の化学的に異なった抑制剤であるSITS(ジピリダモールとNS1652)によって抑制された。アフリカツメガエル(Xenopus laevis)の卵母細胞に変異遺伝子を発現させると、卵母細胞にNaとKの異常な流れを引き起こすが、それによって誘導されるClの輸送は低かった。これらのデータは、このアミノ酸置換はタンパク質を陰イオン交換体から未制御陽イオンチャンネルに変化させるという示唆に一致する。 Full text PDF 目次へ戻る