Letter ヒトのテロメアタンパク質TRF2はDNA損傷への初期応答としてゲノム二本鎖切断部位に会合する 2005年2月1日 Nature Genetics 37, 2 doi: 10.1038/ng1506 ヒト細胞におけるDNA損傷監視ネットワークは、1ゲノムあたり4個未満の二本鎖切断(DSB)に応答して、DNA修復、細胞周期チェックポイントおよびアポトーシスを開始させることができる。この同じネットワークはテロメアに対しては寛容になっている。その理由の1つには、TRF2タンパク質はテロメアがTループ構造をとることを促し、DSBとしてテロメア末端が認識されないようにしていることがある。今回我々は、TRF2がヒト繊維芽細胞の非テロメアDNAにおいて、光照射により誘導されたDSBと照射の2秒以内に会合することを示す。DSB損傷の共通マーカーであるγH2AXと異なり、TRF2はDSBと厳密に共局在する一過性のフォーカスを形成する。TRF2のDSBに対する応答は、TRF2のMybドメインではなく塩基性ドメインを必要とし、機能的なATMやDNA-PKタンパク質キナーゼ、MRE11/Rad50/NBS1複合体およびKu70、WRN、およびBLMの修復タンパク質の非存在下で起こる。さらに、TRF2の過剰発現は、DSBによって誘導されるATMシグナル伝達の標的分子のリン酸化を抑制する。我々の結果は、ATMのDSBへの会合およびATM依存的DSB応答ネットワークの開始前に起こるDSBの認識とプロセシングの初期段階にTRF2を関連づけるものである。 Full text PDF 目次へ戻る