Research Highlights サルコイドーシスはBTNL2におけるスプライス部位短縮型突然変異をともなう 2005年4月1日 Nature Genetics 37, 4 doi: 10.1038/ng1519 サルコイドーシス(sarcoidosis)は主として肺で発症する多遺伝子免疫疾患である。これまでに、ゲノムワイドな連鎖解析により、6番染色体短腕(6p)上の拡張主要組織適合遺伝子座が、サルコードーシスに対する感受性に関連していることが示された。我々は、947の関連のない家族性と散発性症例において、染色体6p21上で16.4 Mbの3段階SNPスキャンを体系的におこない、ブチロフィリン様タンパク質2(butyrophilin-like 2)遺伝子(BTNL2)の15 kb断片が疾患と関連のあることを見つけた。主要な疾患関連多型(rs2076530;PTDT=3×10-6、 Pcase-control=1.1×10-8;反復解析ではPTDT=0.0018、Pcase-control=1.8×10-6)は、HLA-DRB1における多型とは別個の危険因子である。BTNL2は免疫グロブリンスーパーファミリータンパク質の1つで、そのB7-1との相同性からT細胞活性化に関与する補助シグナル伝達分子とみなされている。rs2076530で起きているGからAへの塩基置換(transition)により、野生型スプライス供与部位から4 bp上流に位置する、潜在的スプライス部位が使用されるようになる。そのため疾患リスク関連対立遺伝子の転写産物では、スプライシング後のmRNAにおいて、野生型より早まった翻訳停止が見られる。結果として生じるタンパク質はC末端側IgCドメインと膜貫通型ヘリックスを欠いており、その結果、緑色蛍光タンパク質やV5融合タンパク質を用いた実験で示されるように、膜局在性が阻害されている。 Full text PDF 目次へ戻る