Research Highlights

ヒストンH4のLys16におけるアセチル化とLys20におけるトリメチル化の消失はヒト癌に共通した顕著な特徴である

Nature Genetics 37, 4 doi: 10.1038/ng1531

CpGアイランドの高メチル化とゲノム全体の低メチル化は、癌細胞に多く見られるエピジェネティックな特徴である。癌細胞におけるヒストン修飾は今まであまり注目を集めてこなかった。我々は、正常組織、癌細胞株、原発腫瘍の包括的パネルを作製し、ヒストンH4の翻訳後修飾の特性解析をおこなった。免疫検出法、高性能キャピラリ電気泳動法、質量分析法により、我々は癌細胞ではヒストンH4のモノアセチル化型とトリメチル化型が失われていることを見つけた。こういった変化は、我々が皮膚癌の多段階発生マウスモデルにおいて明らかにしたように、腫瘍形成過程の初期に出現し、徐々に増えていた。ヒストンH4の翻訳後修飾の消失は、主としてアセチル化されたLys16とトリメチル化されたLys20残基で起こり、癌細胞のよく知られた特徴であるDNA反復配列の低メチル化にともなって生じていた。我々の研究結果は、ゲノム全体にわたるヒストンH4のモノアセチル化とトリメチル化の消失は、ヒト腫瘍細胞に見られる共通の特徴であることを示唆している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度