Letter シロイヌナズナArabidopsis thalianaの発生に関する遺伝子発現マップ 2005年5月1日 Nature Genetics 37, 5 doi: 10.1038/ng1543 植物遺伝子の調節領域は動物遺伝子のものよりも小型であることが多いが、植物ゲノムにコードされている転写因子の総数は動物ゲノムで見つかるものと同程度の数であるか、それより多い。したがって植物を研究材料とすると、転写プログラムがどのように多細胞生物の発生を調節しているのかを研究することができる。我々は、モデル植物であるシロイヌナズナArabidopsis thalianaの発生における全体的な遺伝子発現を、胚形成から老化までの多くの発生段階を網羅する試料やさまざまな器官において分析した。本論文では、このデータセットの最初の分析結果で、AtGenExpressによる発現プロファイルの一部となる研究成果を示す。我々は、転写因子遺伝子とシグナル伝達系構成遺伝子の発現レベルが代謝系遺伝子のそれと類似していることを観察した。さらに、大きな遺伝子ファミリーの発現パターンを調べて、それらが偶然により予想されるよりも似通っていることが多いことを見つけた。この事実は、多くの遺伝子ファミリーが特定の発生過程に対して選別されていることを示唆している。 Full text PDF 目次へ戻る